August 6th

まるで昨日と同じような

何事もない今日一日が過ぎていく

ただそれだけのことが、本当は途方もなく尊く、そして幸運であると

今日は少し、そんなことに思いを馳せてみようか。



2010年、8月6日。

この、嫌になるような晴天の強い日射しは

突然の煙と塵に閉ざされることなどないだろう。



目の前にひしめくビル群は、その姿を変えることなく建ち続け

予期せぬ爆音も炎も、無縁のままに金曜日の夜を迎えるだろう。




そして、私は当然のように、生きてこの1日を終えるだろう。




たぶん

65年前のあの街の人たちも

そんな風にしか思っていなかったはず。



かつて、それは一瞬にして根こそぎ失われたもの。

そして今も、その「当たり前」が存在しない場所がたくさんある。


せめて「思いを馳せる」ということを

自分なりの敬意の表し方としよう。