October 17th

その友達が高校生だった時、同じ学校の生徒が一人、亡くなったのだという。

かつて大きな話題となった事件の、被害者として。


当時の私にとって、TVの向こうの遠い世界の難しい問題として、なんとなく
記憶に残っていたその事件は、実は自分自身とさして年の変わらない少年の
身に起こった突然の死であり、今の私がよく知っている人の「日常」に走った
激震だった。


事件の示す世相や社会的影響がなんであれ、
また世間の注目が大きくても小さくても、

そんなことは関係なく。


誰かにとって、それは「家族の死」であったり「友人の死」であったり、
当たり前に予想していた日常が崩れ去る出来事なのだということを、
改めて思う。


事件が世に与えた影響、その後整備された社会的ルールについては公式に
記録されているけれど。

その出来事が一人の高校生に、社会の理不尽や国際社会の困難というものを
思い知らせ、様々な問題意識や価値観の変化をもたらし、そうして今の
私が知る彼女をかたちづくったのだということ。


ニュースやインターネットでは学び得ないことを、思いがけない形で知った。