ナルニア国物語第3章(予告情報)

どこぞでふと見かけた、公開予定の映画のタイトル。

ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島


・・・そんな本は原作シリーズにありません


なんですか、オリジナル?
何冊分かの話をミックスしてハリウッド的に味付けちゃったか?
世界的名作児童文学にケンカ売る気か?大丈夫?



…とか、一瞬にして色々思ってたら、単なる邦題のアレンジみたいですね。

映画の原題は原作と同じ。
「THE VOYAGE OF THE DAWN TREADER」
DAWN TREADER号の航海。


日本語翻訳版はこちら。

朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)

朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)



子どもの頃に読んで、ちょっと難しかったけど好きでした。


そしてこのシリーズ、翻訳に非常に特徴があったんですよね。


Dawn Trader ⇒「朝びらき丸」しかり。
メインの登場人物はイギリス人で、別世界の騎士やら王子様やらが
活躍する物語なのに、ちょいちょい「ぐずのあま太郎」とかいうネーミングの
キャラクターが混じってて、子供心に不思議な感じがしました。
原作者の意向だったのかどうかは知りませんが。


で、まあ。
どうしたんですか、この邦題。
ここにきて「アスラン王」て。


既に原作通りのタイトルで2作出た後なんだけど、今後はずっとこのパターンが
続くのかしら。
アスラン王と魔法の島」「アスラン王と不思議の谷」「アスラン王とアズカバンの囚人(違)」・・・


頭に「ナルニア国物語 第○章」ってついてることで、ちゃんとシリーズとして認識
されるんだから、無理にタイトルにアスランを乗せ続ける必要もないと思うんだけど。


「朝びらき丸」がノーだったとしたら、他の作品もあぶないな。
「馬と少年」とか、まずそのまま使ってもらえなさそう。


このシリーズって、一作ごとに主人公が違ってて、一貫したレギュラーが存在しない
のが、ハリウッド的にあんまりよろしくなかったのかな。
悪役も本当は一貫していないところ、白い魔女さんが3作出演されるようだし。
だからアスランで無理やり統一感を持たせたか。
必要なの?それ。


あ、そういえば前2作と配給元が変わったりしてるんでしたね。
そのあたりの影響もあるのかな。



まあ、そんな諸々の映画的微調整も見受けられるものの、公式サイトのあらすじを
読むかぎり、全体的には原作に忠実なようで。


今回の新登場キャラ、ユースチスも原作の通りの「イヤな子供」として登場するらしくて良かった。

改めて大人の目線で考えると、彼はこのシリーズ全体においてとても重要なキャラクターですね。
勧善懲悪的な物語の中で、「人は変われる」ということを体現した存在。
後々もチョイチョイひねくれた面を見せたりして、それはそれで人間らしい。


ルーシーみたいな典型的な主人公キャラだけで回っていくよりも、物語に
深みを与えてくれている気がします。


公式サイトはこちら。
http://movies.foxjapan.com/narnia3/


気付けば予告編も公開されていて。


・・・子供、育ったね・・・

原作、まだ小学生レベルじゃなかったっけ?


それはさておき、映像面では、かつて子供心に想像を膨らませたファンタジー
世界が、なかなか見事に再現されているようで、予告編だけでも不思議な
懐かしさを伴った感動が。
あの朝びらき丸の登場シーンだけでも劇場に見に行きたいと思わされる。
(深く根差した記憶として、やっぱりこの名称でしか呼べない)



ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島
2011年2月25日より公開