刻まれるもの

中学校の全校集会で聞いた。


「心無い言葉は、言う者にとっては水に書く文字。

 無造作に発したまま、その場で消えてしまうでしょう。

 けれど、言われた側は、その文字を岩に刻みます」


ありがちな「校長先生のお話」の一部であり、3年間を通して
これ以外は何一つ覚えていない。

けれど、この言葉の真理を思う体験はその後も多く。

時に耳にする、そして近年はインターネットで目にする
「水に書かれた文字」達を前に、今でも思い出す。



氾濫する言葉達を前に、ときには「刻まない努力」も必要で、
最近はむしろそちらが強調されがちな気もするけれど。

人に言葉を向けるうえでの覚悟や責任もまた、忘れたく
ないと、思う。