世界を変えるデザイン(3)
印象に残ったものを、もうひとつ載せておきます。
インドだかタイだかの、子供向けのすごろく。
何故かヘビが描かれていますが、このヘビの頭のある箇所がハズレのコマに
なってるんです。
そこには「わるいこと」の例が書かれていて、止まると蛇の尾のコマまで
戻らなくてはならないという仕組み。
逆にアタリのコマには「勉強をがんばる」だとか「家族と仲良く暮らす」だとかの
「よいこと」が描かれています。
そして、その「わるいこと」の内容。
・重い物を運ぶ仕事をする。
・(電気関係や溶接などの)危険な作業をする。
・ゴミ捨て場のゴミをあさる
「勉強をしない」だとか、「大人のいいつけをきかない」ではなく。
こんな風に、知育玩具を使って子供に学ばせようとしているのは
「あなたは働かなくていい、働くべきではない」ということ。
いわゆる、児童労働の防止。
蛇の頭のコマに当たったときに戻らなければならない、尾のコマに
描かれているのは、頭のコマの行動を取った場合に生じる結果です。
・重い物を運ぶ仕事 ⇒ 身体を傷める
・危険な作業 ⇒ 不注意があれば死んでしまう
・ゴミをあさる ⇒ ばい菌に感染する。
記憶に頼って「だいたいこんな感じ」という記述をしていますが、
このくらい身も蓋もないほど現実的な内容ではありました。
ここから伺えるのもまた、各国の置かれた実情の違いと、それぞれの
違いの中で何かを守ろうとする努力のありかた。