世界を変えるデザイン(2)

初の連続記事。

実際に見たプロダクツの中で印象に残ったもの。


「出産介助キット」

内容:
 ・普通のタコ糸
 ・普通のカミソリの刃
 ・普通の包帯
 ・普通のランプ(火を灯すアルコールランプ的な)
 ・普通のマッチ
 ・深めの金属トレイ
 ・石鹸
 ・たわし
 ・ビニール袋
 ・説明書

だいたい以上。


・・・・・・以上?


これだけあればなんとかなると?

いや、うん、まあ、なるのかもしれない。


要は、赤ちゃんが出てきたら、へその緒をタコ糸で縛ってからカミソリで切る。
暗ければ明かりを灯し、必要に応じ包帯で止血をする。
付属の説明書も、4コマ漫画並みのシンプルさです。


たとえば日本で、産気づいた妊婦さんが「はいこれ」と一式渡されても、それは
ちょっと途方に暮れるよ。


けれど、それすらも無い地域であれば。
このキットの存在は生命を救い得る。


実際にこれを必要とし、これが大きな助けとなる、そういう生活を送る
人達がいるということ。




その他、簡単なろ過装置がついていて、川の水でも安全に飲めるようになるという
ストローも。

・・・そう言われてもかなり勇気が要りそうです。


実際に東南アジアのスラムを訪問したこともある知人によれば
「たぶん『安全』の意味が違うんだよね」とのこと。

そう。
急性の中毒のリスクが大幅に減るだとか、「とりあえず基本的には死なない」
という条件は、その人たちにとっては「安全」と呼ぶのにやぶさかでないのかも
しれない。


いろんな形で、目からウロコを落としてくれる「デザイン」たちでした。


…この話、あと一回くらい続けるかも。
一度に長い文がアップできなくて小出し中です。


「世界を変えるデザイン」展(6月13日まで開催)
http://exhibition.bop-design.com/