昨日の記事で思い出した話

何年も前、電車内での携帯電話利用についての注意が盛んに呼びかけ
られるようになった頃のこと。
各社のアナウンスも微妙に一定してなかったんです。


まず、よくあるシンプルなフレーズ。

「車内での携帯電話のご利用は、他のお客様のご迷惑となりますので
お控え頂きますようお願い致します」

汎用的な表現ですね。
騒音や飲食なんかの迷惑行為も「他のお客様のご迷惑」でまとめられます。



つぎ、もう少し具体的な話。

「車内での携帯電話のご利用は、心臓ペースメーカーの動作障害に繋がる
危険もございますのでご遠慮ください」


これも一時期はかなり言われていましたね。
車内での通話について「ちょっとくらい」的なスタンスの人に向けられる
伝家の宝刀のようなイメージがありましたが、最近はあまり言われないのかな。

携帯電話が心臓ペースメーカーに対して誤動作を引き起こしたという事故は、
世界中でただの一例も報告されていない。

by Wikipedia
…あ、そうなんだ。



そして、都内の某メジャー路線で本当に聞いたアナウンス。


「車内での携帯電話のご利用は、他のお客様のご迷惑となり、
お客様同士の口論や乱闘の原因にもなっておりますのでなにとぞご遠慮ください」


…ほんとだってば。

聞いたんです昔。



で、昨日のニュースの件じゃないですが、この最後のアナウンスも、
聞く人によっては独自の説得力があるかもしれません。


ちょっと分析的に言うと、
1つめは抽象的に「とにかくこれは良くないことだからやらないでね」という
ルールの提示。
2つめは、具体的に「どういう事態を引き起こして誰に影響が及ぶか」という
リスクの提示。
最後のものにいたっては「あなた自身に危害が及びますよ」という、
本人にとっての脅威の提示。


たぶん、人に注意や警告を伝えるときって、こういうものの使い分けですよね。


個人的には、やみくもに「これはダメ」と言われるより、ちゃんと理由まで示して
もらいたいです。

ただ、あんまりリアリティの無い脅威の話をされるのも微妙ですけどね。乱闘…