お気に入り

街を歩いていて



お店に飾られた一つの椅子のたたずまいに、思わず足を止めた。




家具というのは、単体でのデザインだけではなくて、他の家具とのバランスだとか、
部屋の中における「調和」によって選ぶ必要がありますが。











どんな部屋ならいいんですか。



まあ、とりあえずウチは無理。


というか、多くのの日本の家屋においては存在感がありすぎて無理かと思います。



でも正直、大好きです、こういうの。


「なんでスイカで椅子!?」 という組み合わせの斬新さだったり、
要は一種のツッコミ所だったり、デザインとしてのインパクトだったり。



そういう要素が複合された、いわゆる変なモノが刺さってくる自分のツボが
時々わからなくもなりますが、これはほんとに昔っからの嗜好。


未だに忘れられないのが、高校生の頃、地元の輸入雑貨屋さん(おそらく当時の
行動範囲内で唯一の)で見つけた陶製の小物入れ。


しっかりした陶器でものすごく精巧に、段ボール箱を模したデザインでした。
(大きさは確か20センチ角くらいの、小物入れ的なサイズ)


ちょっとぶつけた感じの凹みや、ガムテープを剥がした跡も、本物かと見まがうほどに
よく作りこまれてていて、その「高級な素材と技術を投じて“段ボール”のレプリカを作る」という
逆説っぷりが非常にヒットして、本気で欲しかった。


ただ、当時としては簡単に手が出せる金額ではなかった(たぶん5千円くらい)うえに、
自室に置いても非常に実用性に欠けるのがわかっていたので、さすがに諦めました。



実際に手に入れてはいないけれど、説明しづらい自分の趣味嗜好の原点といえる一品。


ただおそらく、「気に入った」と感じたその先の理性は働く方で、あと大抵は
「これ欲しい」という傍らで「はあ!?」とツッコミを入れてくれる友達が居たり
するので、そんなに妙な買い物は多くない、と思います。


いや、あの椅子でも、もし置ける家に住んでて、経済力が見合ってたら間違いなく
置きたいんですけどね。

…と、そう思うような妙な雑貨や美術品はいろいろ存在しているので。

私にはあんまりお金を持たせてもしょうがないのかもしれない。




やっぱりすごい存在感。