「伝える」という力

東日本大震災を受けて、岩手県から発信された企画。

「復興の狼煙」ポスタープロジェクト
http://fukkou-noroshi.jp/

シンプルな写真と短い言葉がもたらす大きなメッセージ。

それを強く受け止め、また素直に感じ取ることができたのは、このプロジェクトが
企画も撮影も、そして被写体も、すべてがこの災害を実際に体験した「当事者」に
よるものだからだと思う。


このような災害時において、映像やコピーによる作品を創ることは、それ自体が
直接、道路や建物を整備したり、空腹を満たすものではない。

けれど、このような象徴的なメッセージは、心に残り、人を動かす。
この「当事者」たちの姿や思いをダイレクトに伝え、またそれをどこまでも遠くに
届けられる「形」にすることで、当事者たりえない人々の行動・関心を結果的に
変えることができる。
そうしてそれが、間接的ながら大きな支援につながっていく。
まさに「狼煙」ということなのだろう。

瓦礫をバックにしていても、このポスターが語るのは「悲劇」ではなく、そこから
立ち上がる前向きな力。

ポスターという媒体の力を、とても率直に強く感じさせてもらった。