ケイトスペードのエコバッグ

そもそもは、パッと見のデザインが好きで注目した一品。
奇遇にもというか、日本への震災復興チャリティのために作られた商品でした。
売上げの全額が日本赤十字に寄付されるとのこと。

言われてみれば、並んだトランプ柄の、ダイヤの代わりに赤い円。
…日の丸、Rising Sunですね。

こんな風にモチーフにしても仰々しくなく、シンプルでどこにでも馴染みますよね、
この国旗のデザインは。
星条旗やユニオンジャックのような、シンボリックなお洒落さはないけれど。

そして日の丸の下には筆記体で小さく「Kate Spade New York Supports Japan」の文字。

これがもし、主旨だけを強調して、たとえば中央に文字だけでデカデカと
「SUPPORT JAPAN」なんて書かれたら、それこそバッグとしての用途、需要は
非常に狭まりますからね。
間違っても日本人が海外に持っていって使ったりできないし。

こんな風に明確なメッセージを含めつつ、あくまで自然に、デザイン性と両立
させている、このバランスの取り方はさすがではないだろうか。

……などと思っていたら。
実はこの中にはもう一つメッセージが隠されていました。

アイコンを並べたシンプルなデザインは「ｋate ｓpade loves Japan」を
意味するグラフィックになっており…

（PRサイトより）

単純に「トランプ柄」と見ていたデザインですが。
右から、スペード（=Spade）、ハート（=Love）、日の丸（=Japan）
…というわけか。

この秀逸さには正直参りました。

意味に気付かなくとも違和感のない、シンプルで可愛らしいデザイン。
この３種類の色と形が、まったく無駄なく非言語のメッセージを構成していた。
文字を入れずに３つのマークだけでも充分、言いたいことを言っていたわけですね。

一種の暗号とも言うべきか。こういうのは非常に好き。
あくまで押しつけがましくなく、シンプルな図柄の中に見事にメッセージを含ませた好例だと思う。