グランド・イリュージョン 見破られたトリック

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一文感想「がんばれダニエル・ラドクリフ」(←映画の感想じゃないし)

スピーディーで派手な娯楽作品。楽しませていただきました。
思ったよりロングランになっているようなので、評判も良いのかな。現在も上映中。

日本での予告の仕方やタイトルからは分からないけど、数年前の映画の続編なんですね。

前作を知らなくとも特に問題ないとのレビューを確認して観てきましたが、実際大丈夫でした。
「前作がある」という事だけ知っておいた方がしっくりはくると思いますが。

予告を見て「これは手品なのか超能力なのか」と思ったけど、一応全部タネのある手品という設定にて。
ちょっと荒唐無稽なノリもありますが(特別保管室のカード芸とか…)、そこは細かいことを気にするよりもショーとして楽しむのが正解という感じ。


そして冒頭で触れましたが、かの「ハリー・ポッターダニエル・ラドクリフ氏が悪役としてご出演。
彼が出ていることで興味を持った所もあるし、そういう観客を明らかに狙った演出もある(後述)。
いっぽうで、売れまくった顔と名前の功罪というか、スクリーンに登場するとどうしても「ハリー」の印象が拭えない。
眼鏡がなくても、ヒゲを生やしても、現代劇でタブレットいじってても。
悪役丸出しのセリフを吐いても「いやハリー、お前そんな奴ちゃうやん」という気持ちになってしまう(なぜ関西弁)
大作シリーズを演じた役者さんにありがちな現象ですが、ご本人も苦労されているようで。

かのシリーズが10年を超える長編であったこともさながら、20代後半に至った彼があまり10代の頃から変わっていないという理由もあるかと思います。体格とか、顔立ちとか。


ダニエル・ラドクリフ、今回はマイケル・ケイン氏の息子という役でしたが、並ぶとちょっと「大人と子供」みたいな体格差になって可哀想でした。
 マイケルケイン、身長190㎝近くで体格良い上にベテラン名優の風格と存在感が半端ない。
 (80歳超えてるけど。それもびっくりだけど)
 ただでさえ役柄も「小物悪党とラスボス」なのに、対比の仕方が不利すぎる・・・。

●そんなわけで「パパの威を借る小物悪党」なダニエル、ハリポタ観てた人なら「お前はドラコか」と随所で言いたくなったと思う。

●予告にも出てきているダニエルのセリフ「Science beats magic!」は、ハリーポッターを意識した確信犯ですね。
 魔法使いに魔法(Magic)を否定させてるんだけど、こっちのMagicは実際には「(トリックのある)手品」だからね。
 あとは作中でコードネーム「魔法の箒」というアイテムが登場したり、「僕と父との繋がりは特別に強い」みたいなセリフに「うん知ってる」と思ったり。  

マーク・ラファロ、「ハルク」で認識して最近だと「スポットライト」の新聞記者役でもお目にかかりましたが、こういう役柄がハマりますね。なんかもう、顔が人格者
思慮深くて他人の為に苦悩するような表情がとにかく似合うよなあ。
本の雑誌なんかで「上司にしたいランキング」の良い位置とかにいきそうだ(何の話だ)

●作中のマジックは確かに、大規模な機材や協力者を使えば「(超常現象でない)手品」として実現可能なのかもしれませんが、だとすると彼らの組織ってトンでもなく金持ちなんですね。
 前作を見ていないのでよくわからないのかもですが。
 あ、いろんな相手からお金を頂戴してるのか。でもそれを次のシゴトに使っちゃってたらどうなの。

●途中で舞台が香港に移ったり(中国本土よりは撮影がしやすいのか以下略)、台湾の人気スターが出演したり(こちらは台湾という所が政治的配慮以下略)、けっこう中華系要素が入っていたことで、現代のハリウッドのマーケティングに思いを馳せてしまいました。
 やはり中国か。ちょっと昔だったらホースメンも日本に来てたのかしら