マリアンヌ
“ブラピ無双、でも戦争には勝てず。そうよ全て戦争がいけないの”
なんかそんな感じの映画でした。
日本版オリジナル予告編。元祖との違いは後述。
雰囲気的に「カサブランカ」とか「イングリッシュペイシェント」あたりを思い出しました。
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見ごたえがあって満足な映画だったけど、人に訊かれてストーリーを結末まで説明するのには30秒くらいしかかからなくて自分で驚いた。
そういう意味では意外と話が込み入ってないということか。
ということで改めて、見どころが何だったかを自分で振り返ると、20世紀半ばのカサブランカやロンドンの景色や文化など、映像に表れる「時代の空気」の味わいが一つの要素になっていたと思います。
カサブランカの住居の屋上で、「夫婦らしく見えるように」現地の習慣や自分達の状況設定を話し合いながら主人公達が寄り添うシーン、そんな虚構を演じながら「決して望んで戦争に身を投じた訳ではない」と本音を漏らす所など、登場人物の機微やその場の空気感が伝わってくるようでした。
そして各シーンを彩るマリアンヌの衣装も。
そういえばパーティーの多い映画だったし、戦時中ながら何かと画面が華やかでしたね。
これはやはり主演の美男美女の効果も大きい。マリオン・コティヤール綺麗だったなあ。
ただ若干、日本の興行ではそのあたりの「オシャレ映画」要素にかなり偏ったPRになっていた気がします。
実際にはかなりドンパチしてます。
※以下はかなりネタバレ※※
そもそも、「美しい妻にスパイ容疑がかけられて、夫は妻を守る為に奔走する」というストーリーは予告からでも見て取れますが、特に日本版の予告はいかにも「一般人のはずの妻へのスパイ疑惑」というミスリードを意図しているように思えます。
実際には「普通のスパイ(そして引退した)と思っていた妻に2重スパイの疑惑」という流れ。
映画の冒頭からブラッド・ピット演じるマックスもその妻になるマリアンヌも、2人とも軍の諜報員として登場して、序盤で2人してマシンガン撃ちまくったりしてるので、当初のイメージとはかなりギャップがありました。
ブラッドピットを看板に女性の集客を狙うと「珠玉のラブストーリー」みたいな見せ方に走ってしまうのかしら。
以下雑感。
●マックスという人物については「上下関係に頓着せず直情的」という特徴が最初から示されていたので、マリアンヌの疑惑に際して命令無視して単独調査に走ることへの違和感は抑えられましたね。(軍人らしくはないだろうけど)
ただ、それにしても人を殺し過ぎだろう。
任務遂行のための行為もありましたが、マリアンヌの素性の確認の為に勝手に危険区域まで出かけて、通りすがりのドイツ兵グループに見つかりそうになったらそちらをガンガン駆逐するとか。(そして1人でもやたら強い)
戦争中で軍の人間だから、理由が何でも敵兵は殺せば殺すほどOKという発想なのかしら。それでいいのか、いや駄目だろう。
●マックスの妹が同性愛者という設定は、特にストーリー上の影響も無かったと思うんだけど、必要だったのかしら。
有色人種だけじゃなく性的マイノリティも、一定の割合で登場させなきゃいけなくなったか?ハリウッド。
時代が時代なので、当時のロンドンで「パーティーで周囲から話題にされるようなのオープンさ」が普通なのか、歴史上の設定として不自然じゃないのかは純粋に気になりました。
●クライマックスのブラピのアップはあれで良かったのか。それこそ濡れそぼった老犬みたいな情けなさ満載でしたが、あそこはあえてあの顔で良かったのか・・・。
日本オリジナルでない予告編。こちらだとドンパチのシーンもある。